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金箔の製造方法(縁付箔)
参考として、ここで金箔の製造方法(縁付箔)を簡単にご紹介します
1.金箔の原料は金ですが、金の地金をいきなり叩いて薄く延ばし、箔にするのではありません。まず、金合金を作ることからはじまります。 金箔四号色で純金94.43%、純銀4.90%、純銅0.66%の合金率になっています。(純金の品位を99.99%とする。)
2.金地金を銀・銅の地金と溶かし合わせ、この金合金を帯状に延ばし、約6cm角の「延べ金」という小片にします。 金沢市二俣産の西の内紙と呼ばれる和紙を用いる澄打紙に延べ金をのせ、約200枚ほど重ねその上下にそれぞれふるや紙を30枚ほど重ねて当てます。それを袋革でおおい、打圧して行きます。
3.延べ金が紙一杯に打ち延ばされると、「荒金」という16.8cm角の澄打紙に延びたものを一枚一枚移しかえます。 これを約200枚重ね、ふるやを上下に当て、前と同様に紙一杯に打ち延ばします。
4.次に荒金を四分の一に切り、約6cmの小片を18.3cmの澄打紙に入れ、打ち延ばします。出来上がったものを21.6cmの澄打紙に移しかえ、厚さ1,000分の3mmまで打ち延ばします。 それを化粧鋏で整形し澄打紙の「上り」に移しかえ叩きます。この場合は艶を消すためです。これを「打上り澄」といい30枚重ねて20.1cm角の型を当てて折り曲げ、裁包丁で折目から切りできた物が「仕上がり澄」です。
5.金箔は上澄を打ち延ばして作り上げるのですが、いわゆる箔打紙の紙質の良否が製品の良否を左右します。それほど箔打紙は金箔の打ち立てに重要なものなのです。下地紙と呼ばれる和紙を職人の経験とカンを駆使して箔打紙に仕立てていくのです。 職人ごとに色々な工夫がこらされ、必ずしも一定した作業ではなく、微妙な、変化があります。
6.仕上がりの上澄は約1,000分の3ミリの厚さですが、これを大体10,000分の1〜2ミリ位の薄さに延ばしたものがいわゆる金箔です。従って、上澄を打ち始めることから本格的な製箔工程に入ります。上澄の大きさは21cm角ですが、これを切り箸で11あるいは12の小片に切ります。この上澄の小片を小間といいます。出来上がった小間は広物帳の間に並べて一時保管し、打ち立てに着手する時に、ここから打紙に移し入れていきます。この小間を打紙の間に入れていく作業を「澄の引き入れ」といいます。
7.澄の引き入れのすんだ小間紙を重ね、その上下に女紙を加え、さらにその上下に白蓋を重ねます。白蓋の上に当革をあてて捲きしめて糊づけします。その上下をさらに袋革で覆い、糊づけしてある乳革でしっかり留めて小間打ちの準備完了。機械で打圧していきます。小間打ちで半ば打延ばしたしたものを主紙に移しかえ、さらに紙一杯に打ち上げて箔打ちが完了します。
8.打ち上がった箔は16.5cm角くらいで、これから製品として寸法を揃えます。所定の寸法は10.9cm角、12.7cm角、15.8cm角、21.2cm角の4種類です。切り終わったものは、切紙にはさんで保管されます。完成した金箔は10,000分の1~2mmという驚くべき薄さになっています。
9.以上、金箔(縁付箔)の製造工程を紹介しました ※金箔には縁付と裁切のタイプがあり製法も少し違います。
「ふるや」はこの金箔製造課程を何度も繰り返した後に、結果として出来上がる金箔打紙を最高級のあぶらとり紙として使ったもの。これ以上金箔が延ばせなくなるほど打圧を繰り返した打紙ですので繊維は最高密度にまで砕かれ吸脂力も最高水準になるわけです。
※参考:その他のあぶらとり紙も「金箔打紙製法」で作られたものは、この金箔製造の工程の中で培われた高度な技術を基に応用されたもので、和紙の選定から機械設備・打圧技術に至るまで金箔メーカー以外では決して真似のできない製法なのです。